どんな種類がある?【マウスピース矯正と矯正以外のマウスピースについて】
歯科治療で使用する「マウスピース」というと、歯列矯正に用いられるインビザラインがまず思い浮かびますよね。
透明なマウスピースを使って歯並びの乱れを整える装置で、当院でもいろいろなケースに適応しております。
実は歯科ではそうした歯並びの矯正以外にもマウスピースを使用する機会があるのです。
こんにちは。
大阪市北区 南森町で歯科医師をしております、院長の増田智基と申します。
今回はそんなマウスピースについて解説します。
①矯正用マウスピース
②ホワイトニング用マウスピース
③顎関節用マウスピース
①矯正用マウスピース
矯正用マウスピースは、歯並びの異常を治すために用いる装置です。
当院でも取り扱っている「インビザライン」が最も有名なシステムであり、世界でもこれまで1,200万人を超える人が利用しているマウスピース型矯正装置です。
矯正用マウスピースで歯並び・噛み合わせを正常にすることで、見た目が美しくなるだけでなく、嚙む機能も向上します。
さらには、身体全体のバランスも良くなり、不定愁訴のような原因不明の身体の不調も改善されることも珍しくありません。
マウスピースの素材や特徴
矯正用マウスピースは、透明なポリウレタンで作られており、審美性に配慮している点が大きな特徴といえます。
とくにインビザラインのマウスピース(アライナー)は厚みが0.5mm程度しかないので、装着時の違和感・異物感も最小限に抑えられています。
インビザラインのマウスピースは紛失してしまったとしても、データさえ残っていればすぐに複製できます。
治療の流れ
矯正用マウスピースによる歯列矯正(インビザライン)では、カウンセリングを行ったのちに口腔内スキャナーによるお口の型取りを実施します。
従来のシリコーンゴムを使った歯型取りは不要となっておりますのでご安心ください。
スキャンによって得られたデジタルデータを用いてシミュレーションを行い、治療計画の立案、マウスピースの作成へと進んでいきます。
完成したマウスピースは約2週間ごとに患者さまご自身に交換していただきます。
標準的なケースでは、1~3年程度で歯の移動が完了します。
無料で歯並びのシミュレーションを行えます
インビザラインでは、無料で歯並びのシミュレーションを行うことができます。
「SmileView」というサイトにご自身の写真を送信するだけで、矯正後の歯並びの仕上がりを確認でき、治療を受けるかどうかの判断材料になるかと思いますので、ぜひお試しください。
スマートフォンからこちらの公式リンクにアクセスしていただくことで、「SmileView」のサービスを利用できます。
②ホワイトニング用マウスピース(ホワイトニング)
歯科で用いるマウスピースにはホワイトニング用のものもあります。
矯正用マウスピースとは異なり、ホワイトニング剤を盛るためのトレーでしかないので、歯を動かしたりするような作用は期待できません。
歯科医院ですべての処置が完結するオフィスホワイトニングでは使用する機会はなく、患者さまにご自宅で施術していただく「ホームホワイトニング」で使用するのが一般的です。
マウスピースの素材や特徴
ホワイトニング用マウスピースは、EVA(エチル酢酸ビニール)のような比較的柔軟性の高い素材で作られていることが多いです。
矯正用マウスピースに用いられるポリウレタン製のタイプもありますが、装着時の締め付け感などが強いなど、歯ぐきまで覆うようなマウスピースにはあまり向かないといえます。
もちろん、ホワイトニング用マウスピースは既製品を使うのではなく、患者さまそれぞれのお口の合うよう歯型取りから行いますので、装着時に不快感を覚えることはほとんどありません。
治療の流れ
ホームホワイトニングでは、初診の際にお口の中を検査した上で、施術可能かどうかを判断します。
歯の表面に亀裂が入っていたり、虫歯や歯周病が見つかったりした場合は、それらの治療を優先することになります。
とくに問題が見つからなければ、患者さま専用のマウスピースを作成し、ホワイトニング剤を処方いたします。
当院で取り扱っているホームホワイトニングは週3~4回、30~120分ほど薬剤を作用させることで適切な効果を得ることができます。
ホームホワイトニングがおすすめな人
ホームホワイトニングは、お口の検査とマウスピースの作成が終わった後は、歯科医院に通う必要がなくなります。
好きな時に好きな場所で施術できるため、マイペースに歯を白くしたい方には強くおすすめできます。
また、ホームホワイトニングはオフィスホワイトニングよりも持続性に優れており、歯を白くする効果を長持ちさせたい方にも推奨できるホワイトニング法といえます。
③顎関節用マウスピース
歯科で使用するマウスピースとしてはもうひとつ「ナイトガード」もしくは「スプリント」と呼ばれる装置が挙げられます。
この装置は歯ぎしりや食いしばりなどから歯・顎関節を守ることが主な目的なので、矯正用やホワイトニング用とは用途がまったく異なるマウスピースといえます。
顎関節の症状を和らげるためのマウスピースであり、上下の歯列に装着する必要はなく、基本的には片側の顎の分だけ作成します。
顎関節への過剰な負担を取り除くことで、顎の痛みや腫れだけでなく、不定愁訴などの全身症状の改善も期待できます。
マウスピースの素材や特徴
顎関節用マウスピースは、樹脂で作られたソフトタイプと歯科用プラスチックであるレジンで作られたハードタイプの2つに大きく分けられます。
レジンのような硬い素材を使えるのは、顎関節用ならではといえるでしょう。
ナイトガードという名前からもわかる通り、顎関節用マウスピースは夜間に装着します。
治療の流れ
顎関節用マウスピースもその他の装置と同じように歯型取りが必要になります。
顎関節を守るための装置でもやはり患者さまの歯列にぴったり合うものを作った方が治療効果も高くなるからです。
お湯で軟らかくしてお口の形に合わせる既製品も市販されていますが、適合が悪くデメリットも多いです。
顎関節症を放置するリスク
顎関節症は、比較的軽度であれば、積極的な治療が不要となることも多いですが、中等度から重度の場合は、マウスピースを使ったスプリント療法を受けた方が良いと言えます。
症状の強い顎関節症を放置すると、顎の腫れや痛みだけではなく、顎関節の変形を引き起こして取り返しのつかない病態にまで発展してしまう可能性も十分にあるからです。
顎の関節は、噛む・飲み込む・しゃべる・呼吸をする上で重要な役割を果たすものであり、異常が認められる場合は早期に歯科を受診するようにしましょう。
まとめ
今回は、歯科治療で用いるマウスピースの種類とそれぞれの特徴について解説しました。
歯医者さんではいろいろな場面でマウスピースを使うことがありますので、それらの違いについて詳しく知っておくと、治療の必要性なども理解しやすくなるかと思います。
今回ご紹介したマウスピースによる治療は、すべて当院でも対応しておりますので、関心のある方はいつでもお気軽にお問合せください。
増田歯科・矯正歯科は、地下鉄「南森町駅」徒歩2分、JR「大阪天満宮駅」8番出口上がってすぐのビルで開業している歯医者さんです。
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