親から子に遺伝するの!?【子どもの歯並び形成について】
こんにちは。
大阪市北区 南森町で 矯正歯科 小児矯正 をしております歯科医師の増田です。
私には小学生と幼稚園の子どもがいます。
子どもの成長は親にとって大きな喜びですよね。
しかし成長期は、喜びと同時に様々な心配事が増える時期でもあります。
特にお口の環境については、保護者ご自身がこれまでに歯並びや噛み合わせで悩んだ経験があると、お子さんの歯並びについても心配になりますよね。
今回はそんな歯並びについて、親子間の遺伝をテーマにご説明いたします。
1,歯並びと遺伝の関係
2,歯並びが悪くなりやすい後天的な影響
3,歯並びやかみ合わせが崩れることでの影響
4,歯並びのために対策できること
5,まとめ
1,歯並びと遺伝の関係
ご両親が歯並びに自信がないとお子さんの歯並びも心配ですよね。
結論から申し上げますと「結果として親と似た歯並びになる」事はありますが、基本的に歯の並び自体がそのまま遺伝するわけではありません。
親から子へ遺伝するのは「歯の大きさや形」や「歯が埋まっている骨の大きさや形」(顎の骨)なので、こういったパーツが遺伝することによって「歯並び」も似てくる事ががります。
保護者の方に、歯が大きいまたは顎が小さいなどの特徴があった場合、その特徴がお子さまへと遺伝し、出っ歯や受け口といわれるような歯並びになる可能性は高くなります。
しかし、ここで骨や歯の大きさや形が遺伝したからといって、必ずしも同じような並びになるわけではありません。
骨や歯が遺伝子しても、生活習慣の工夫によって歯並びの悪化は防ぐ事もできますし、反対に遺伝とは関係なく後天的な要因によって歯並びや噛み合わせの問題が引き起こされる場合もあります。
実際、歯並びや噛み合わせの問題の多くは、この後天的な原因によって引き起こされているということも報告されています。
2,歯並びが悪くなりやすい後天的な影響
遺伝的な要因以外に歯並びや噛み合わせが影響を受ける主な項目をご紹介します。
当てはまる項目や気になる項目がないか確認してみてください。
①癖や生活習慣
・舌で歯をおしている
・飲み込む際に舌を前に出している
・3歳を過ぎても指しゃぶりがやめられない
・日常的に口が開いている(お口ポカン)
・頬杖をつく
・左右どちらかで噛んでいることが多い
・同じ側を下にして寝ることが多い
・歯ぎしりやくいしばり
これらの習慣は、歯や骨の遺伝に関係なく歯並びに影響を与え、
特定の歯に負担がかかったり、歯が斜めになったり(傾斜)、歯間に隙間が開いたり(すきっ歯)、前歯が前に出てしまう(出っ歯、上顎前突)可能性があります。
②虫歯
子どもの歯(乳歯)は大人の歯(永久歯)と比べて柔らかいため虫歯が進行しやすく、歯並びに大きな影響をもたらします。
虫歯で痛みを感じるとそれを避けるように噛み合わせがアンバランスになります。(片側噛み)
その期間が長く続くことで顎や顔の筋肉の発達に歪みが生じて、歯並びや顔立ちが左右非対称になってしまう可能性が高くなります。
③姿勢
悪い姿勢、特に背中がまるまった猫背の状態は、口呼吸に繋がります。
口呼吸はお口の周りの筋肉の発達に影響が出たり、虫歯や歯周病、口臭や上顎前突の原因にもなったりと様々なリスクがあります。
また、頬杖をつく機会も増えるため歯並びや顔の歪みも引き起こす可能性があります。
④食生活
柔らかいものばかりを好んで食べている場合、顎の骨の発達が不十分になる場合があります。
顎の発達が遅れると、永久歯が綺麗に並ぶスペースが確保できずに歯が前後にガタガタになってしまうので要注意です。
⑤鼻炎等のアレルギー症状
鼻の通りが悪い場合、日常的に口呼吸になるため歯並びが悪くなりやすいこともわかっています。
専門医の診断を受けて、鼻呼吸が可能な状態にしておくことは口呼吸を防止し良い歯並びを整えることにもつながります。
3,歯並びやかみ合わせが崩れることでの影響
悪い歯並びや噛み合わせは、虫歯になりやすい、歯の寿命が短くなる、などのお口の機能以外にも、様々な影響を与えます。
①審美面
芸能人や一流スポーツ選手など人前に出る機会の多い方々の歯並びが綺麗なように、お口元は人の印象を大きく左右します。
歯並びが悪いと素敵な笑顔であってもどこか清潔感に欠けてしまうこともあります。
②精神面
歯並びが悪いことが1つのコンプレックスとなり
・写真を撮るときに思いっきり笑えない
・人と話すときに手で口を覆ってしまう
・人前で話すことが苦手になる
など気持ちの面でもマイナスになってしまう場合があります。
特に思春期では顕著に出ることも多く、コロナの行動制限が開けてもなおマスクが手放せない等のお声も聞きます。
③体の健康
通常、食べ物を食べた際はお口の中で消化酵素の含まれる唾液と混ぜ、よく噛み砕いてから胃に送りこみます。
しかし噛み合わせが悪いと食べ物を細かくすることが不十分で、唾液も十分に分泌されません。
毎食、消化しにくい状態で飲み込むことで胃や腸の負担が大きくなり、慢性的に消化不良を起こしてしまします。
4,歯並びのために対策できること
ここまでで、生活習慣や癖、虫歯、悪い姿勢、食生活などが、歯並びや噛み合わせに影響を与える可能性があるということをご説明してきました。
ここからは、お子さんの歯並びや噛み合わせを守るために、日常生活でできる工夫についてご紹介いたします。
①癖を正す
歯並びに影響を与える悪い癖を、早めに止めることが大切です。
・指しゃぶり
一般的に3歳ごろまでは無理にやめさせなくて大丈夫です。
それ以降にもやめられない場合は、手や指を使う遊び、スキンシップ等を生活に取り入れてみましょう。
・片側噛み
噛み合わせの左右差だけでなく、顔つきの左右差にも影響します。
お食事の際には、「次こっちのお口で噛んでみようね」など左右でバランスよく噛めるよう根気よく声かけをしていきましょう。
・頬杖
左右どちらかの顎にのみ力がかかり続けるため、奥歯の歯並びを中心に歪みやすくなります。
頬杖をしていることに気がついたらその場で声かけをして少しづつ頻度を減らし、やめさせることを目指しましょう。
・口呼吸
「お口ポカン」とも言われる日常的にお口が開いている癖が見られる場合は、お口を閉じる筋肉が弱いことも考えられます。
「あいうべ体操」や「パタカラ体操」などお口の周りの筋肉を使うトレーニングで鍛えましょう。
(※当院ではご希望に応じて小児のお口トレーニングを行っております)
また、就寝中にお口ポカンをしている場合は「鼻呼吸テープ」なども有効です。
(※鼻詰まりや扁桃炎等が原因の場合はやめさせることを急がず、原因となる症状の専門医を受診してください)
②食事の工夫
近年では、食べやすく改良されている食事の影響もありしっかり噛んで食べる機会が減ってきている傾向にあります。
よく噛むことは顎の発達を促して歯並びに良い影響を与えるだけでなく、唾液の分泌を促進して虫歯を予防したり、満腹中枢を刺激して食べ過ぎを防止したり、さらには消化を助ける効果などもあります。
・ごぼうやレンコンなどの歯応えのある根菜
・ししゃもやいりこなどよく噛むことで味が出る食材
・イカやタコなど弾力がある食材
・おやつをナッツやドライフルーツにしてみる
毎食気をつけるとなると大変ではありますが、意識して取り入れることで良く噛む機会を増やすことができます。
また、普段の食事でも気づいた時に「一口につきあと5回だけ多く噛んでみる」ことも効果的です。
③歯医者さんを定期的に受診する
子どもの歯並びや噛み合わせは、早期に問題を発見して対策を取ることが重要です。
特に成長期の子どもは、顎の成長や歯の移動が比較的容易な時期であるため、矯正治療によって歯列を整えやすい時期です
タイミングが遅れてしまうと効果的な治療が難しくなるケースもあるため、定期的に歯医者さんで検診を受けることをお勧めします。
また、検診では歯磨きの指導も合わせて受けることもポイントです。
正しい歯磨き方法を理解し、歯磨きの習慣を身につけることで虫歯のリスクが減少し、歯並びにも好影響を与えます。
また、親御さんご自身も歯並びに気になる点がある場合は、お子さんと一緒に歯並びの相談を受けることも一つの選択肢です。
近年では大人の矯正治療も進化しており、取り外し可能でケアのしやすいマウスピース矯正や、メタルより目立ちにくいホワイトブラケット装置など従来と比べて様々な選択肢があります。
大人の場合はすでに成長は終わっているので、子どもよりは多少痛みや違和感があるかもしれませんが、矯正治療を受けることで噛み合わせが良くなり、顔のバランスが改善し、美しい笑顔を手に入れることができます。
お子さんにとっても保護者の方と一緒に治療を受けることは、矯正治療への抵抗感がなくなる1つの要素であると思います。
当院では、親子や兄弟姉妹で治療を受けていただく場合、矯正治療への金銭的なご負担を軽減できる制度も設けております。
詳しくはクリニックまでお問い合わせください。
5,まとめ
いかがでしたか?
子どもの歯並びは、両親からの遺伝的な要因だけでなく、様々な後天的な要因によって構成されます。
そのため、歯並びが悪くなりやすい原因について知り、普段から可能な限り対策をしておくことが大切です。
もし、ご両親の歯並びに気になる症状があったり、今回紹介した内容に当てはまる習慣や癖がある場合は一度歯医者さんを受診いただくことをお勧めいたします。
歯医者さんで専門家の診断を受けて、必要に応じて早期に適切な対策を取ることで、お子さまの将来の美しい笑顔と健康な歯並びを守ることができます。
小児矯正治療は、一人一人の個性や成長の過程に応じて適切な治療法やアプローチが異なります。
成功のカギとなるのは、治療開始のタイミングともいわれます。
(詳しくはこちらの記事をご覧ください。)
普段からかかりつけのクリニックをつくっておき、気になる症状があった場合は信頼でき専門家に早めに相談して適切なアドバイスを受けるようにしてくださいね。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
歯並びはパーツの遺伝によって親に似ることもありますが、早めに対処することで将来的な問題や歯を失うリスクを予防することができます。
お子様の歯並びについて気になる症状がある場合は、お気軽にご相談くださいね^^
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