「口ゴボ」とは何?矯正で治る?原因と治療方法について
こんにちは。
大阪市北区 南森町の 増田歯科・矯正歯科 歯科医師の増田です。
皆さんは、「口ゴボ」という言葉を聞いたことがありますか?
医学的な用語ではありませんが、ここ数年、美容系のSNSなどを中心に広まってきた造語です。
最近この「口ゴボ」を理由に歯並びのご相談に来られる患者様が非常に増えてきています。
今回の記事では、お口元のコンプレックスにもなり得る「口ゴボ」について、その症状や原因、対処法を解説していきます。
1,「口ゴボ」の症状とは?
2,「口ゴボ」とフェイスラインの関係
3,「口ゴボ」になる原因
4,「口ゴボ」は歯科で治る?治療方法
5,まとめ
1,「口ゴボ」の症状とは?
口ゴボ(くちごぼ)とは、口を閉じた状態で顔を横から見た際に、口元がもっこりと前に突き出ている状態を指します。
このような口の見た目から生まれた造語が口ゴボやゴボ口(ごぼぐち)と呼ばれ、その言葉の広まりとともに、審美的なコンプレックスを抱える方も増えてきているように感じます。
上の図の、左のような状態です。
2,「口ゴボ」とフェイスラインの関係
美しさの感じ方は人それぞれではありますが、一般的には、整ったお顔の基準として、口元を横から見た際に唇が鼻先と顎を結ぶ線の内側に収まることが理想とされます。
これは「Eライン」と呼ばれます。
Eラインとは、顔の美しさやバランスを評価する指標の一つで、歯並びとも密接な関係があります。
審美歯科の観点から見ても、Eラインに沿った理想的な歯並びが美しい笑顔を作るための重要な要素という風にいわれています。
世界的にみると上の図のようなEラインになることが理想ではありますが、
アジア人の場合は欧米人に比べ、骨格的に鼻が高くなく顎も首に近いような特徴があるとされているので、
唇がEラインの線に少し触れる程度であれば過剰に気にする必要はないといえます。
しかし、口ゴボといわれる状態は、唇がその線よりも明らかに前に突き出ています。
そのため、横顔のバランスが崩れて、口元の美しさが損なわれてしまいます。
ご自身が口ゴボであるか気になるという場合は、下記の項目をセルフチェックしてみるといいかもしれません。
〇横からお顔を見たときに、鼻と顎に対して口元がもっこりと盛り上がっている
〇唇が突き出していて、口を閉じると皮膚が引っ張られている
〇口を閉じると、顎に梅干しのようなしわができる
〇口が前に出ているせいで、意識して力を入れないと口が閉じられない
〇頻繁に歯に口紅が付いたり、気づいたらよく前歯が乾いていたりする
このような症状に当てはまる場合は、「口ゴボ」といわれる可能性が高くなります。
虫歯や歯周病のように病気ではないので必ずしも治療しなければならないわけではありませんが、
「横顔のコンプレックスで自分に自信が持てない」
「写真を正面からしかとりたくない」
といった審美的なお悩みに加えて、
ケースによってはお口が閉じにくいことにより
虫歯の発生やかみ合わせの悪さにつながり歯の寿命が短くなってしまう場合もございます。
気になる場合は、一度矯正専門医に相談をしてみましょう。
3,「口ゴボ」になる原因
口ゴボは、歯並びがガタガタしていなくても起こることあります。
理由は、 口ゴボ=歯並びの悪さ ではなく
前歯の生えている向きや骨格とのアンバランスによって起こってくる症状であるからです。
この場合、医学的な用語で「上顎前突」(じょうがくぜんとつ)という歯並びの状態になっている可能性が高くなります。
上顎前突症の主な原因は2つあります。
1つ目は、先天的(遺伝的)要因による顎の成長異常です。
顎の骨格の大きさと歯の大きさのバランスが悪いと、歯列や顔だちに影響を与え、前に突出したような状態になります。
「親が口ゴボだと子どもも口ゴボになりますか?」というご質問をいただくことがありますが
歯並びが直接遺伝するというよりは、骨格の形や歯の大きさが遺伝することで似たような歯並びになるケースが多いため
可能性としては低くはないと考えています。
2つ目は、生活習慣や日ごろの癖、持病などによる後天的な要因です。
歯や顎が大きく成長する4歳~小学生ごろまでの時期に、口呼吸や指しゃぶりなどの習慣が続いてしまうことで
歯並びの形成や顎の成長に悪影響を与え、上顎前突につながってしまいます。
※指しゃぶりについては、乳児~小児にはよく見られる行動で、一般的には3歳ごろまでは様子をみても大丈夫だといわれています。
4歳を過ぎても治らない場合は、一度歯医者さんに相談しておくと安心です。
また、口呼吸は口輪筋(お口の周りの筋肉で、顎の成長に大きく影響を及ぼす)の発達の悪化につながるため
顎の発育がうまくいかず歯が生えるスペースが少なくなってしまいます。
(小児歯科では、「お口ぽかん」と呼ぶこともあります。)
似たような理由で、鼻炎やアレルギーなど、口呼吸になりやすい疾患をお持ちの場合も、注意が必要です。
上記に加え、成長期を過ぎていても、舌で前歯を押すような舌癖を慢性的に続けることで、徐々に悪化してしまうケースもございます。
これらの要因が複雑に組み合わさることで、上顎前突が発症します。
上顎前突は、主な症状として
・前歯の前方突出
・噛み合わせの不良
・発音の問題
などがあげられます。
4,「口ゴボ」は歯科で治る?治療方法
口ゴボでお悩みの方にとって、
「口ゴボを治すには、整形手術をするしか方法はないのか?」
「歯の矯正治療で口ゴボを改善することができるのか?」
というのは気になる問題ですよね。
結論から申しますと、口ゴボは歯の矯正治療である程度改善することが可能です。
これは、口ゴボの原因が先天的なものであっても後天的なものであっても同じことがいえます。
治療方法に関しては、お口や骨格の状態に応じていくつかの種類がございます。
①ワイヤー矯正(ブラケット矯正)
ブラケットと呼ばれるボタン型の装置とワイヤーを用いて歯の位置をコントロールし、歯並びやかみ合わせを修正します。
器具は一度つけると自分では取り外しが不可であるため、正しいケアを行うことも大切になる矯正方法です。
ほとんどの症例に対応が可能で、抜歯を伴うケースを得意としています。
②マウスピース矯正
個人専用のマウスピースを数十枚ごとに作成し、交換していくことで歯の位置をコントロールする方法です。
ご自身でつけ外しが可能なので歯磨きやしやすい一方、装着時間などの管理の仕方によって矯正の期間や成功が左右されてしまうという特徴もあります。
症状によっては対応できないケースがあるほか、抜歯を伴うケースでは加速装置との併用を推奨する場合もございます。
見た目が透明で自然なので、矯正治療中と気づかれたくない方に人気の方法でもあります。
③矯正治療のみでは対応が難しい場合
一方、重度の症例では矯正治療と並行して外科手術が必要となる場合もあります。
手術によって上顎の骨を移動させ、顎の位置を修正することで、噛み合わせや顔のバランスを改善することが可能です。
この場合は、矯正医と口腔外科での特に専門的な治療になるため、歯科選びが重要となります。
④その他の方法
上記の他に、
・下顎のバランスを整えるためのヒアルロン酸注入
・鼻の高さを出してEラインを整える
等の方法で口ゴボを解消する方法もございます。
専門家へのご相談のうえで、ご自身の症状やご希望に沿った治療方法を選びましょう。
5,まとめ
口ゴボはお口元がもっこりと前に出ている状態のことを指す造語ですが、多くの場合「上顎前突」という症状である可能性が高いといえます。
お顔立ちの印象にも関わるほか、歯の寿命が短くなってしまう場合もあるため、気になる場合は一度歯医者さんでご相談ください。
当院では、豊富な経験を持つメディカルコンシェルジュが皆様のお悩みや矯正治療の方法に関してわかりやすく解説をおこなう【無料相談】もございます。
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