臭い玉って何!?【口臭の原因と口臭対策について】
こんにちは。
大阪市北区 南森町 増田歯科矯正歯科で理事長をしております歯科医師の増田です。
みなさんは、口臭について気にされたことはありますか?
口臭は歯の色や歯並びと違って目に見えないものですが、その有無で周りの方からの印象が左右される重要なエチケットでもあります。
患者様によっては、気にしすぎるあまり自信の喪失などコミュニケーションにも関わるケースもあります。
今回はそんな口臭の原因や正しい対策方法についての解説と、最近よく耳にする「臭い玉」についても解説していきます。
1,口臭の大きな原因
2,「臭い玉」って何?
3,口臭の確認方法
4,簡単な口臭対策
5,まとめ
1,口臭の大きな原因
口臭の原因は1つではありません。
その原因について正しい知識をもっていただくことが、予防のはじめのステップとなります。
①正しいお口のケアができていない
歯の表面や歯と歯の間にプラーク(細菌のかたまり)が蓄積することで、口臭が発生します。
毎日歯磨きをしていても、ご自身の歯並びに合った磨き方ではなかったり、磨き残しが放置されると菌の増加につながってしまいます。
また、歯ブラシのみのお掃除では、全体の汚れのおおよそ6割程度しか落とせていないことが分かっているので、
歯間ブラシやフロスを日常的に使用していない方ほど、ケアが不十分な可能性が高くなります。
②歯周病になっている
歯周病の原因となる「歯周病菌」は、特有のニオイのするガスを発生させます。
このガスが口臭の原因となるため、歯周病になっている場合は口臭が強くなるのです。
歯周病由来の口臭は「食べ物の腐ったニオイ」「排水溝のニオイ」などに例えられることが多く、
治療を行わない限りなくならないことが特徴です。
③臭いが強い食べ物や飲み物
強い臭いを持つ食品や飲み物も口臭を引き起こすことがあります。
中でも特に、にんにくやニラ、ネギや玉ねぎなどニオイの強い食品や、コーヒー、お酒などは口臭を強める要因となります。
食べ物由来の口臭は、一時的なものであることが特徴です。
④喫煙の習慣がある
タバコも口臭の原因の1つです。
タバコには、喫煙由来の口臭の発生だけでなく、
・歯周病リスクの増大
・お口の乾燥
・歯石の付着
など他の口臭発生の原因にもつながるため、
複数の要因が関与して口臭を発生させているケースも少なくありません。
⑤厳しい食事制限をしている
ダイエットなどの過度な食事制限により、体の中で「ケトン体」が生成され、口臭を引き起こすことがあります。
糖質制限をおこなっている場合に起こり、ケトン体由来の独特な甘酸っぱいようなニオイが口臭だけでなく体臭としても現れることがあります。
継続してダイエット(糖質制限)をしている場合は要注意です。
⑦口呼吸をしている
口呼吸をするとお口の中が乾燥状態になり、口臭が発生しやすくなります。
乾燥状態が菌の増殖の原因になるためです。
日中や寝ている間にお口が開いている場合は、無意識のうちに口呼吸をしているかもしれません。
⑥病気など、身体的な問題
お薬の服用や特定の病気が口臭の原因となる場合があります。
お薬の副作用によって唾液の分泌量が減少するドライマウスや、糖尿病、胃腸の疾患などが考えられます。
このケースが原因の口臭は、歯科院に通っているだけでは改善しないことが多く、原因となる疾患の専門家の介入も大切になります。
2,「臭い玉」って何?
口臭は、上記のような原因の他に「臭い玉」(においだま、くさいだま)由来のものもあります。
「臭い玉」は専門用語で膿栓(のうせん)と呼ばれ、
のどちんこの両脇に位置する扁桃腺の穴(扁桃窩)に白い塊として形成され、潰すと強い臭いを放ちます。
扁桃腺はリンパ球が集まる場所で、細菌やウイルスの撃退(免疫機能)に重要な役割を担っています。
臭い玉は、その免疫機能の働きによって倒された細菌やウイルスの残骸の塊で、
蓄積することによって臭いを発するとされています。
また、お口の環境によっても細菌やウイルスが侵入しやすくなるため、注意が必要です。
その他、食べ物のカスが蓄積することでも発生します。
臭い玉は、細菌やウイルスの残骸が原因で形成されるため、”臭い玉自体が病気”というわけではありません。
お口の中は繊細な組織なので、安易に自分で綿棒や指を使って臭い玉を取り除こうとすると、周囲の組織を傷つけるリスクがあります。
また、新たに細菌やウイルスが侵入し、膿栓がさらに形成されやすくなることもあるため、自己判断での除去はオススメできません。
自然に取れることもあるため放置される方もいらっしゃいますが、強烈なニオイの原因にもなるため
気になる場合は耳鼻咽喉科などを受診いただき、専門の機器を用いて洗浄や吸引を行い取り除きましょう。
(※扁桃腺由来のため、歯科ではなく咽喉科が専門となります)
3,口臭の確認方
ご自身の口臭について確認したい場合は、以下のような方法を参考にされてください。
①唾液
清潔な手の甲や手首を舌でなめ、数秒待ってからその部分を嗅ぎます。
唾液の中には口臭の原因となる細菌が多く存在するため、この方法で口臭が確認できます。
②舌の垢
舌クリーナー(ない場合はティースプーン等)で舌の表面、特に後部をやさしくこすり取り、そのスプーンの表面を嗅ぎます。
舌の垢(舌苔)は口臭の指標となることが多いです。
③フロス
フロスでプラークをこすり取った際、そのフロスを嗅ぐことで歯間部分の臭いを確認できます。
特に、歯と歯ぐきの間に溜まった食べ物の残骸は、口臭や歯周病の原因になります。
④マスク
マスクをして通常通り呼吸し、その中で自分の息の匂いを感じる方法です。
特に近年、マスクを使用する機会が多く、自分の息の匂いを感じる良い機会となっています。
⑤口臭測定器を使用
では、口臭が気になる場合はどのように対策をおこなえばいいのでしょうか?
簡単にできるブレスケアについてご紹介していきます。
①正しいセルフケア方法を知る
日々の歯磨きで、菌発生の原因となる歯垢や食べかすをしっかりと除去することが重要です。
適切な歯ブラシや歯間ブラシ、デンタルフロスの使用方法を歯医者さんで相談してみましょう。
②定期的なプロケアで、菌の増殖を防ぐ
①のセルフケアでも、100%すべての汚れを落とすことは歯科衛生士でも難しいと言われています。
3か月に1回、せめて長くても半年に1回、プロのクリーニングを受けていただくことが大切です。
プロケアは、虫歯や歯周病の予防にもつながります。
③こまめに水分補給をする
ドライマウス(お口の乾燥)を防ぐために、こまめな水分補給をすることも対策の1つです。
水分補給はコーヒーやジュースではなく、お水でおこなうことがポイントです。
15~20分おきに1口程度、難しい場合も気づいたタイミングでこまめにお水を飲んでみてください。
④口呼吸を避ける
日常的にお口がぽかんと開いて口呼吸をしている場合は、意識して鼻呼吸にするだけでも口臭対策になるといえます。
寝ている時間で口呼吸になってしまう場合は、鼻呼吸テープを利用することも1つの方法です。
(※鼻炎や睡眠時無呼吸症候群などの場合は、ご使用前に専門医にご相談ください)
5,まとめ
口臭は本人の清潔感や印象にも関わる重要な要素ですが、その原因はケースによって様々です。
まずは歯科医院でご自身の口臭の有無や発生原因について調べ、原因が分かったあとは適切な対策を行うことでケアをすることができます。
また、口臭はほとんどの場合、正しいケアと定期的な検診を行うことで予防することが可能です。
気になる場合は、お気軽にご相談くださいね!
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理事長/院長 増田智基