【歯並びの悪化にも】口呼吸の原因と自宅でできる治し方
こんにちは。
大阪市北区 南森町 増田歯科・矯正歯科で矯正治療を担当しております 歯科医師の増田です。
お子さまに”お口がぽかん”と開いている症状はございませんか?
お口ぽかんは口呼吸になっている場合が多く、健康にさまざまな悪影響を及ぼします。
口呼吸が習慣化してしまうと、歯並びやお顔の成長に影響を与えるだけでなく、虫歯や歯周病などお口の病気リスクも高まります。
さらに、大人でも口腔乾燥や睡眠の質の低下、全身の健康への悪影響が懸念されます。
今回は、口呼吸の原因、健康に与える影響、そして改善方法について詳しく解説します。
1,口呼吸の原因
2,口呼吸が引き起こす問題
3,口呼吸の治し方
~まとめ~
1,口呼吸の原因
1. 鼻づまりやアレルギー
口呼吸が習慣化する大きな原因が、物理的に鼻呼吸が困難になっている状態です。
アレルギー性鼻炎や花粉症、慢性的な鼻づまりなどが鼻呼吸を妨げてしまうため、結果的に口呼吸を引き起こします。
鼻づまりが長期間続くと、身体が無意識に口から呼吸する習慣を作ってしまうため、症状が治まった後も無意識のうちに口呼吸が続く場合があります。
ですので、今は鼻づまりでなくても以前一定期間鼻づまりだった場合は注意が必要です。
また、お子さんの場合、鼻腔内のアデノイド(咽頭扁桃)が肥大していると鼻の通りが悪くなるため、口呼吸の原因になることがあります。
2. 舌の位置や筋力の問題
舌が上あごにつかず、下がった位置にあることも口呼吸の原因となります。
”低舌位”と呼ばれることもあります。
舌が下に落ちていると、自然と口が開いた状態になりやすく、これが口呼吸の習慣につながります。
また、舌の筋力が弱い場合、飲み込む際に舌が正しい動きをせず、口呼吸を招いてしまうこともあります。
お子さまの場合、悪い舌癖(舌が歯を前に押し出す動き)や長期間の指しゃぶりが舌の位置に影響を与えることが多いです。
3. 習慣としての口呼吸
幼少期の指しゃぶりや口を開けた状態での睡眠が続くと、口呼吸が習慣化してしまう場合があります。
これが大人になっても続くと、無意識に口呼吸をしていることが日常的になり、改善がなかなか難しくなります。
指しゃぶりは、3歳ごろまではむしろ発達や心の安心に必要なものであるため無理にやめさせる必要はないのですが、以降もやめられない場合は一度専門機関でご相談ください。
4. 顎や歯並びの問題
顎が小さい、または歯並びが悪い状態だと、舌が正しい位置に収まりにくくなるため、鼻呼吸が難しくなる場合があります。
特に顎が後退している場合や開咬(奥歯は噛み合うが、前歯が噛み合わない状態)があると口呼吸になりやすいといえます。
2,口呼吸が引き起こす問題
1. 虫歯や歯周病のリスク増加
口呼吸は、お口の中を乾燥させる原因となります。
唾液には、細菌の増殖を抑える抗菌作用があり、口腔内の健康を維持する重要な役割を果たしています。
しかし、口呼吸が続くと唾液の分泌が減少し、細菌が増えることで虫歯や歯周病のリスクが高まります。
また、口腔内が乾燥すると、舌苔(舌の表面に付着する白い汚れ)が増え、口臭の原因にもなります。
2. 歯並びへの影響
口呼吸は、舌や頬の筋肉のバランスを崩し、歯並びや顎の成長に悪影響を与える可能性があります。
舌が正しい位置にない場合、上顎の発育が妨げられて歯並びが狭くなるため、出っ歯や開咬など歯並びの問題が生じやすくなります。
特にお子さんの場合はその影響が大きく、成長過程でお口の中だけでなく顔の形にも影響を与えることがあります。
3. 全身の健康への影響
口呼吸によって酸素の取り込みが不十分になると、集中力の低下や疲労感、不眠などが引き起こされることがあります。
特に睡眠時の口呼吸は、いびきや睡眠時無呼吸症候群のリスクを高め、心血管疾患などの健康問題を引き起こす可能性があります。
また、乾燥した空気が直接喉に届いて喉の粘膜が乾燥するため、ウイルスや細菌をブロックできず、様々な感染リスクが高まります。
3,口呼吸の治し方
1. 鼻づまりを解消する
鼻づまりが口呼吸の原因となっている場合は、まず鼻の通りを改善することが必要です。
- 鼻炎やアレルギーの治療: 耳鼻科を受診し、専門家の指示を受けましょう。花粉症やアレルギー性鼻炎を診断された場合は、アレルギーの根本治療を目指すことも重要です。
- 加湿: 室内を適度に加湿することで、鼻腔内の乾燥を防ぎ、鼻呼吸を促進します。適正な湿度は40~60%です。
2. 正しい舌の位置を習慣化する
舌の定位置は、上あご(前歯の裏)です。
日常的に舌が下がっている方は、舌の位置を正しくすることで口呼吸を改善することが可能です。
- 舌のトレーニング: 舌を上あごに押し当て、一定時間キープする練習を繰り返します。これにより、舌が正しい位置に戻りやすくなります。
- MFT(口腔筋機能療法): 舌や口周りの筋肉を鍛えるトレーニングを行いましょう。歯医者さんでやり方を聞いておくと正しい方法で行うことができます。
3.日常生活での工夫
- 口閉じテープの使用: 就寝時に口が開かないよう、専用の口閉じテープを使用すると効果的です。当院でも取り扱いをしておりますのでお気軽にお声がけください。
- 正しい姿勢を保つ: 姿勢が悪いと呼吸が浅くなり、口呼吸の原因となります。普段から背中が丸まっている方は、背筋を伸ばして正しい姿勢を意識しましょう。
上記で改善が難しい場合:矯正治療を検討する
歯並びや顎の問題が口呼吸の原因となっている場合は、矯正治療を受けていただくことが最も有効です。
物理的にお口が閉じにくい場合は上記のような方法では対応できないため、専門の歯医者さんを受診していただきお口の状態に合わせた治療法で根本的な問題を解決しましょう。
~まとめ~
口呼吸は、お口の環境や全身の健康に多くの悪影響を及ぼしますが、日ごろから正しい対策を取ることで改善が可能です。
歯医者さんに相談することで、原因をしっかり特定することができ、適切な治療を受けることが可能になります。
当院では、口呼吸の改善サポートから歯並びのご相談までおこなっておりますので、お悩みの方はぜひお気軽にご相談ください。
お問い合わせ
口呼吸の治療や歯並びの改善に関するご質問やご予約は、当院までお気軽にご連絡ください。
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