こんな方は要注意!歯科医がインプラント治療をおすすめしない人
こんにちは。
大阪市北区 南森町 増田歯科・矯正歯科で理事長をしております 歯科医師の増田です。
歯を失った場合の治療法として人気のインプラント治療。
自分の歯をなくしてしまっても、天然の歯に近い機能性と美しさを取り戻せるため、多くの方が検討する治療法です。
しかし、インプラントは誰にでも行える治療方法だというわけではありません。
実は、健康状態や生活習慣、顎の骨の状態など、さまざまな要因によって、インプラント治療が向かない場合があるのです。
今回は、インプラントが適さないケースやその理由、代替となる治療法、さらに治療を検討する際の注意点についても詳しく解説します。
1,インプラントをおすすめしないケース
2,インプラントが難しい場合の代替治療法
3,インプラント治療を検討する際の注意点
~まとめ~
1,インプラントをおすすめしないケース
1. 全身疾患を抱えている場合
インプラント治療は外科手術を伴うため、ご自身の全身の健康状態が治療の成功に大きく影響します。
特に、以下のような疾患を抱えている場合は、治療の安全性や術後の経過を考慮してインプラントが適さないことがあります。
- 糖尿病
血糖値がコントロールされていない場合、術後の傷の治癒が遅くなるリスクがあります。また、感染症にかかりやすいため、インプラント治療の成功率が下がる可能性があります。また、仮に手術が成功したとしても、インプラントの周辺に炎症のおきる「インプラント周囲炎」のリスクも高くなるため持ちが悪くなる可能性があります。
- 骨粗鬆症
骨の密度が低下している骨粗鬆症の方では、インプラントが顎の骨と結合しにくく、安定性を保つことが難しくなります。特に骨粗鬆症治療のための薬を使用している場合、骨壊死のリスクが指摘されることもあります。
- 心疾患や脳疾患
心臓や血管に関する病気がある場合、手術中の出血リスクが高まるため、安全性が確保できないことがあります。また、抗血栓薬を服用している場合も同じように注意が必要です。
しかし、これらの疾患がある場合100%治療ができないわけではありません。
病状が安定している場合には、インプラント治療が可能なケースもあります。
事前に担当医としっかりと相談し、治療を選択することが重要です。
2. 顎の骨が十分でない場合
インプラント治療では、顎の骨にインプラントを埋め込むため、骨の量や質が治療成功のキーとなります。
そのため、前述の骨粗鬆症に加えて以下のような場合、顎の骨が不十分であるためにインプラントが適さないことがあります。
- 骨の吸収が進んでいる場合
歯を失った状態が長期間続くと、顎の骨が痩せてしまう「骨吸収」が進みます。骨が十分でないとインプラントを固定するのが難しくなり、治療の成功率が低下します。
- 骨の質が弱い場合
骨の密度や硬さが不十分だと、インプラントが骨としっかり結合できず、治療後に緩んでしまうことがあります。
このようなケースでは、骨移植や骨を再生する手術を行うことでインプラントが可能になる場合もありますが、治療期間が長くなるほか、費用も増加する可能性があります。
3. 高齢者の場合
高齢者でもインプラント治療を受けることは可能です。
しかし、体力や健康状態、ケアの能力によってはおすすめできない場合があります。
- メンテナンスが困難な場合
インプラントは治療後のケアが非常に重要です。日常的な歯磨きや定期検診が欠かせないため、身体的な制約で十分なケアができない場合はおすすめできません。
- 骨の再生能力が低下している場合
高齢になると骨の再生能力が低下し、インプラントが骨としっかり結合するまでに時間がかかったり、結合が不十分になったりすることがあります。
ですのでご高齢の場合は、入れ歯やブリッジなどの代替治療が適している場合もあります。
ご自身のご希望も踏まえて、専門スタッフとしっかりと相談し、最適な治療法を選びましょう。
4. 喫煙習慣がある場合
喫煙はインプラント治療において大きなリスク要因の一つです。
喫煙による血流の低下が治癒力を妨げ、治療の成功率を低下させることがわかっています。
- 治癒の遅延
喫煙により手術部位の血流が悪くなり、骨とインプラントの結合が十分に進まないことがあります。
- 感染リスクの増加
喫煙者は非喫煙者に比べて術後の感染リスクが高いため、インプラント周囲炎(インプラントの周りの炎症)が発生しやすくなります。
インプラント治療を検討する際には、禁煙を含めたライフスタイルの改善が求められます。
5. 口腔衛生状態が悪い場合
インプラントは天然歯と同じように、適切な口腔ケアを行うことが成功の鍵です。
歯周病や虫歯が放置されている場合、インプラント周囲炎を引き起こし、治療の結果が悪化する可能性があります。
- 歯周病が進行している場合
歯周病があるとインプラント周囲の骨がさらに損傷しやすくなるため、まず歯周病の治療を優先する必要があります。
- セルフケアが不十分な場合
日常のブラッシングやフロスの使用が適切でない場合、インプラント周囲の細菌が増殖し、炎症やトラブルを引き起こします。
2,インプラントが難しい場合の代替治療法
インプラントが適さない場合でも、歯の機能を取り戻せないわけではございません。
以下のような代替治療法を検討することで、歯を補うことが可能ですのでご安心ください。
1. 入れ歯
入れ歯はインプラントと異なり、手術を必要としない治療です。
また、ほとんどの欠損治療に対応できるほか、保険適応でも受けることができます。
- メリット: 手術を避けられる、保険適応のため費用が比較的安価。
- デメリット: インプラントに比べて使用感が劣ったり、違和感や異物感があったりする。支えとなる歯の負担が大きく、寿命が短くなる。見た目が目立つ。
2. ブリッジ
ブリッジは両隣の歯を支えにして、欠損部分を補う方法です。
- メリット: 比較的短期間で治療が完了し、見た目も自然。
- デメリット: 健康な隣の歯を削る必要があるため、隣の歯の寿命が短くなる。
3. 骨再生治療を伴うインプラント
支えとなる骨が不足している場合でも、骨移植や骨再生治療を行うことでインプラント治療が可能になることがあります。
- メリット: 骨が少なくても、インプラントの選択肢を広げられる。
- デメリット: 治療期間が長くなる。通常のインプラントにくらべてコストが増える。すべての症例に対応できるわけではない。
3,インプラント治療を検討する際の注意点
インプラント治療は高精度でメリットの多い治療である一方、気を付けておきたいポイントもございます。
納得して治療を受けるため、さらに治療を成功させるためには、以下の点に注意しましょう。
①事前診断の重要性
前述のように、インプラントはお口の状態や疾患の有無によってリスクが異なります。
検討される場合は、事前にしっかりと検査を受けて、ご自身の健康状態や骨の状態を確認することが重要です。
②費用と期間の確認
インプラントは保険適応外の治療のため、費用や支払い方法がクリニックによって異なります。
金銭的な不安をなくすためにも、費用や治療期間について事前にしっかり確認しておきましょう。
③リスクを理解する
ほとんど副作用のない治療法だといわれるインプラントですが、手術のリスクが完全にゼロだというわけではありません。
事前に、術後の症状やケアについて、専門スタッフからしっかりと説明を受けてから治療を受けるようにしましょう。
④案内があったケアを守る
いくらご自身が健康で、腕のいい医師より高精度の治療を受けたとしても、ケアが不十分ではインプラントの持ちも悪く、トラブルが起こる場合もあります。
セルフケアの方法や検診・プロケアの受診頻度など、専門スタッフから案内のあった内容を守ることで、長く快適に使用することができます。
また、歯科医師やクリニックの選択も重要なポイントの1つです。
経験豊富で治療実績の多いところを選ぶことで、幅広い症例数から安心して治療を受けることができます。
当院のインプラント治療は、国際認定を持つ理事長が担当いたします。
術前、術後、お支払いなどのの不安についても専任コンシェルジュが随時対応しておりますのでご安心ください。
🦷当院のインプラント治療、専門医についてさらに詳しく知りたい方はこちら(インプラント専門サイト)をご覧ください。
~まとめ~
インプラント治療は審美的にも機能的にも多くのメリットがありますが、患者様の全身疾患や骨の状態、生活習慣によっては適さない場合があります。
しかし、インプラントが難しいからといって治療方法が全くないわけではございません。
ご自身の希望やお口の状態に合わせて代替的な治療法を選ぶことで、歯を失っても噛む機能を取り戻すことは可能です。
当院では、患者さま一人ひとりに最適な治療法をご提案しています。
歯牙欠損治療に精通したメディカルコンシェルジュが常在し、無料相談も行っておりますので、インプラントや他の治療法に関するお悩みがあれば、ぜひお気軽にご相談ください。
TEL 06-6352-1187
大阪市北区東天満1-11-9 101
理事長/院長 増田智基