舐めまわしでよみがえる生命記憶
生後3か月を過ぎると、赤ちゃんは目を覚ましている時間が長くなり、あらゆるものに興味を示し、目で見て手を動かすと同時に、仰向けになっている赤ちゃんが頭を左右に動かすようになります
この時期の赤ちゃんは、何でも口に入れて咬もうとします。自分の握りこぶしを口にもっていきます。赤ちゃんにとって口は、世界を探る手段なのです
6か月過ぎて、すっかり首がすわると手が自由になります
手が自由になると、手の届くものを何でも口に運んで舐めまわします
たとえばゴルフボールに手が届けば、ゴルフボールを引き寄せて10分でも20分でも舐めまわし続けます
赤ちゃんは舌で舐めまわすことで、小さな凹凸のあるツルツルした球形を記憶します
ゴルフボールを見たときに、凹凸のあるツルツルした球形だとわかるのは、手でなでまわし舌で舐めまわして体感した記憶と視覚像を結び付けるためだといわれています(手が自由にならない動物は、舐めまわすことがすべて)。
ある解剖学者は、これを「生命記憶」と呼んでいます。
手や舌で、なでまわし舐めまわしてはじめて、かたちや距離や表面の性状を記憶の底に覚え込むことができるというのです